トップページ > 【薬の情報箱】薬と健康のトピックス

薬と健康のトピックス

vol.64 心疾患

目次
01.狭心症・心筋梗塞の治療
02.心房細動の治療
03.心不全の治療

1狭心症・心筋梗塞の治療

原因
狭心症は動脈硬化が原因となって起こります。
心臓を取り巻く冠動脈に、コレステロールなどが溜まってプラークという膨らみができると、血管が狭くなります。これが動脈硬化です。
流れる血液量が制限されるため、運動したときに血液を送れなくなり胸痛などの症状を引き起こします。
さらにプラークが破れて血栓ができると、冠動脈が詰まってしまうことがあります。これが心筋梗塞です。
検査
狭心症には動脈硬化以外にも冠れん縮などが原因で起こるものがあります。
それらの原因を見逃さないため血管造影を行う際に特定の薬物を注入し冠れん縮が誘発されるかを調べます。発作時の心電図検査で診断される場合もあります。
薬物療法
狭心症が比較的軽い場合には、薬物療法が中心となります。
薬物療法で使われる主な薬物として、β遮断薬やカルシウム拮抗薬、硝酸薬、スタチン系、アスピリンなどがあります。
冠れん縮性狭心症の場合、発作の予防にはカルシウム拮抗薬が使われ、β遮断薬は使われません。
かえって状態が悪化してしまうからです。
発作を抑える薬では、硝酸薬が使われます。冠動脈を拡張させる作用があります。
カテーテル治療・バイパス手術
薬物療法だけで発作が抑えられない場合や、心筋梗塞が起こる危険性が高い場合に選択されることがあります。
カテーテル治療が行われるのは、動脈硬化で、血管が狭くなった部分がある場合です。
冠れん縮性狭心症などの場合は血管内腔に狭くなっている部分がなければ行われません。
バイバス手術は冠動脈に狭くなったり詰まったりした部分がある場合に行われる治療で、その部分を迂回(バイパス)する血管を新たに取り付け、血流を確保します。
体への負担は大きいのですが、再発することがすくないのが利点です。
患者さんの年齢や病変、持病なども考慮して選択されます。
生活習慣の改善
まず重要なのが禁煙です。
また過度の飲酒をしないように節酒します。
食事では、減塩、食べ過ぎない、脂肪を取りすぎないといったことが大切です。
運動ではウォーキングなどの有酸素運動がオススメです。医師と相談してから行うようにしてください。
疲れやストレスを避けることも心掛けるようにしましょう。浴室に入ったときの温度差にも注意が必要です。

▲このページのトップへ

2心房細動の治療

心房細動とは一定のリズムで活動すべき心房が1分間に400~600回という速さで細かく無秩序に震えることで起きる不整脈です。
心房細動が起こると、脈の乱れや動悸、めまいなどの症状が現れることがありますが、自覚症状がない人もいます。
心房細動自体が生死にかかわる不整脈ではありませんが、脳の血管を詰まらせることにより脳梗塞など重篤な病気の原因になることがあります。

検査
心房細動を診断するために行われるのは心電図検査がありますが、検査時に起こっていなければ見逃される場合もあります。
そのため確実に発見するためにはより詳しい検査が必要になります。
「24時間ホルター心電計」は、胸に電極を貼り続けて日常生活の中で長時間心電図を記録する測定方法です。
その他は心電図検査で心房細動が見つかった場合、さらにそれが心臓の弁(血液を一定方向に流し、逆流を防ぐ役割)の異常によるものかどうかを確認するために、「心エコー検査」で心臓弁周囲の血液の流れを調べることもあります。
治療
心房細動の治療は、血栓ができないようにする「抗凝固療法」と、不整脈を起こさないようにする「心臓そのものに対する治療」の2つに分けられます。
「抗凝固療法」は脳梗塞を予防するために血液を固まりにくくし、心房内で血栓ができるのを防ぐ抗凝固薬を使います。
75歳以上、心不全、高血圧・糖尿病がある、脳梗塞を起こしたことがある、など脳梗塞の危険性が高い場合に行われます。
「心臓そのものに対する治療」として、動悸やめまいなど不整脈の症状が強くて日常生活に支障がある場合は心筋の興奮や異常な電気信号を抑える抗不整脈薬を使用する治療法と、薬だけでは十分に心房細動を抑えられない場合は心房細動の原因となる心筋の組織を高周波で焼くカテーテルアブレーションを行う治療法があります。

心房細動に限らず不整脈の発症には生活環境が影響していることがありますから、まずは生活環境を見直して、
不整脈の原因になりそうな要因、生活の乱れやストレスなどを取り除くことが重要です。

▲このページのトップへ

3心不全の治療

心不全とは…
心不全とは、病名ではなく、「心臓の働きが不十分な結果、起きた体の状態」をいいます。
血液を体内で循環させる心臓のポンプの働きが弱くなると、肺の中や全身の静脈に血液が溜まる「うっ血」状態になります。送り出される血液が十分ではないため様々な臓器が酸素不足や栄養不足に陥ります。
自覚症状
心不全になると息切れ(呼吸困難)やむくみ、動悸、疲れやすい、体重増加などの症状が現れます。初期症状として呼吸困難で目が覚めることが多くなります。
原因
多くの場合、高血圧や糖尿病、心疾患(狭心症、心筋梗塞、心筋症、弁膜症、不整脈など)が原因となります。
心不全は高齢者に多いという特徴があります。その大きな理由は心不全の原因となる心臓病が増える為です。特に女性に多く、高血圧や糖尿病など合併していることが多くあります。
予防
心不全の原因となる高血圧や心臓病の治療を怠らないようにすることです。
生活習慣を改善することも予防に役立ちます。
具体的には、禁煙、減塩、肥満の解消、適度な運動、ストレスの軽減、節酒などです。
心不全を見逃さないためにも定期的に心臓の検査を受けるようにしましょう。
特に原因がよくわからない体重増加や夜間の呼吸困難などの自覚症状が現れたら検査を受けてください。
治療
まずは薬物療法をします。使う薬は、心不全の症状を緩和する利尿薬、硝酸薬、強心薬と心臓の負担を減らして心臓の保護をするACE阻害薬、アンジオテンシン受容体拮抗薬、β遮断薬などがあります。
こうした治療に加え、生活習慣の改善は続けていきます。

心不全で低下した心臓の機能を完全に回復させるのは困難です。
しかし、適切な治療や生活習慣の改善により、症状が緩和されて日常生活の支障をなくすことや、進行を遅らせることはできます。

▲このページのトップへ

薬の情報箱

このページのトップへ