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薬と健康のトピックス

vol.57 子宮内膜症

目次
01.子宮内膜症とは
02.子宮内膜症の原因
03.子宮内膜症の症状
04.子宮内膜症の検査と診断
05.子宮内膜症の治療方法

1子宮内膜症とは

子宮内膜症とは子宮の内腔以外の場所に子宮内膜によく似た細胞が発生、発育してしまう病気です。
子宮内膜自体は子宮の内側に存在する細胞で、女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)の影響を受けて増殖します。厚みを増し、栄養を蓄えることで受精卵の着床(妊娠)に適した環境を整えます。妊娠が成立しなかった場合は、女性ホルモンの分泌が急激に減少し、子宮内膜が剥がれ落ちます。これが月経です。

子宮内膜症では、子宮以外の場所で内膜が増殖したり、剥がれ落ちたりすることによって痛みなどの症状が引き起こされます。
骨盤に守られている下腹部内部、特に卵巣、卵管、ダグラスなどの子宮周囲が発症しやすい部位です。

子宮内膜症

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2子宮内膜症の原因

子宮内膜症の原因はまだはっきりとは解明されていません。エストロゲンの分泌が盛んな成熟期や妊娠経験のない人がかかりやすいことから、エストロゲンの過剰分泌が原因ではないかと考えられています。
発生メカニズムは不明な点が多いですが、いくつかの説が挙げられています。
月経時に剝がれた子宮内膜の一部が卵管へ逆流して体内に留まってしまうという説や子宮内膜ができるときに子宮の内腔以外にも似た組織ができてしまうという説などがあります。

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3子宮内膜症の症状

子宮内膜症の症状

子宮内膜症は、下腹部の痛みや腰痛が主な症状です。
下腹部の痛みや腰痛がひどくなってくると、それまで飲んでいた鎮痛薬が効かなくなってくることがあります。また月経時の出血が多くなり、今までのナプキンでは間に合わなくなってくることもあります。
月経期間中に排便痛を伴ったり、下痢になったりすることがあります。頭痛や吐き気、嘔吐、発熱などが起こることもあります。こうした症状が月経時以外にも起こるようになってきたら、子宮内膜症がある程度進んでいる可能性が高くなります。
性交痛に悩んでいる人も少なくありません。ダグラス窩や子宮を支える靭(じん)帯などに病巣があると、性交時に痛みが出ることが多くなります。
こうした症状は、子宮内膜症の病巣の位置や進行の程度を知る手がかりになります。恥ずかしがらずにきちんと医師に相談しましょう。

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4子宮内膜症の検査と診断

内診、超音波検査、MRI、腹腔内検査などにより診断されます。

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5子宮内膜症の治療方法

薬物療法と手術療法がありますが、いずれを選択するかは症状の種類、程度、年齢、妊娠希望の有無などを総合的に考慮して決めます。
薬物療法には月経時だけ鎮痛薬を服用する対症療法や長期的な経口避妊薬による偽妊娠療法、偽閉経療法があります。

手術療法は病巣だけを摘出して子宮や卵巣を温存する保存手術と子宮・卵巣を摘出する根治手術があります。後者は子供を希望しない患者さんに限られます。

対症療法には月経時の痛みを和らげる鎮痛薬が用いられます。
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の使用が一般的です。
代表的な薬としてカロナール錠、ロキソニン錠、ボルタレン錠などがあります。

偽妊娠療法は妊娠することで子宮内膜症が改善することから開始された治療法で、薬を服用することによって妊娠しているときと同じようなホルモン状態を作り出します。
代表的な薬としてプラノバール配合錠やルナベル配合錠などがあります。

偽閉経療法は閉経後と同じくらいまでエストロゲンレベルを下げて、月経を止めるとともに子宮内膜症の病巣部を委縮させます。
代表的な薬としてデュファストン錠、ディナゲスト錠、スプレキュア点鼻薬などがあります。
いずれの薬物治療も子宮内膜症の症状や進行を緩和するものです。治療をやめてしまうと再発・再燃してしまいます。主治医の指示に従って治療を続けていくことが大切です。

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