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薬と健康のトピックス

vol.55 甲状腺

目次
01.甲状腺の疾患
02.バセドウ病
03.橋本病

甲状腺の疾患

ホルモンは生命活動維持のためさまざま機能を調節します。
生きていくためにかかせない物質であり、分泌量が大きく変化するとさまざまな病気になります。
今回は甲状腺ホルモンの異常についてお伝えします。

甲状腺ホルモンとは、のどぼとけの下にある器官である甲状腺から分泌されます。
体を元気にするホルモンで新陳代謝を活発にして、交感神経、心臓などの活動を高めます。汗や脈拍の調節も行います。全身ほぼすべての細胞に影響します。
甲状腺ホルモンが過剰になる病気がバセドウ病、低下する病気が橋本病です。

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1バセドウ病

甲状腺機能が過剰に活性化する自己免疫疾患です。女性に多く、成人女性の約2%に発症すると言われ、特に20~40歳台に多くみられます。

症状

新陳代謝が活発になり体内が常に運動をしているような状態になるので動悸、息切れ、疲れやすい、体重減少、発汗、イライラなどの症状があります。特徴的な症状として眼球の突出がありますが、これは眼の奥にある筋肉や脂肪が炎症により腫れ、目が前に押し出されるために起こります。

治療

バセドウ病患者さんの甲状腺では必要以上に甲状腺ホルモンが産生されています。抗甲状腺薬はホルモンの合成を抑える働きがあり、過剰になっているホルモンの産生を抑える効果があります。下記の薬が主に使われます。

  • チアマゾール(メルカゾール)第一選択薬
  • プロピルチオウラシル(プロパジール、チウラジール)妊娠初期、妊娠の可能性のある人
  • ヨウ素剤(ヨウ化カリウム丸)初期段階 軽症患者さん等

通常は効き目の強いチアマゾールが選択されますが、妊娠初期や副作用のため使用できない場合はプロピルチオウラシルが使われます。

主な副作用はかゆみのある発疹で、薬を飲み始めて2週間前後に現れます。まれながら最も注意しなければならないのが無顆粒球症です。約500人に1人の割合で起こる事があります。体の中の免疫をつかさどる白血球などが極端に減少するもので重篤な感染症を引き起こすことがあります。

重篤なものは定期的に血液検査でチェックすることで発見できます。早めに適切な対処をすれば心配ありません。自覚症状として急な高熱、喉の痛みなどインフルエンザのような症状が出たらすぐに服用を中止して主治医にかかるようにしましょう。

バセドウ病による甲状腺機能亢進症は適切に薬を使って血液中の甲状腺ホルモン濃度を正常にしておけば、病気の症状もなく、社会生活の支障になることはまずありません。また日常生活で服用中に食事などの制限はありませんが喫煙はバセドウ病を治りにくくするともいわれているので、禁煙を心掛けましょう。

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2橋本病

橋本病は、甲状腺に慢性の炎症が起こる病気で、自己免疫疾患の1つです。成人女性の1~2%の割合で発症するといわれ、特に40歳以上に多く見られます。

症状

「むくみ、しわがれ声」「皮膚の乾燥」「無気力、疲れやすい、うつ症状」などがあります。
甲状腺ホルモンの分泌量が低下する為に新陳代謝が衰え、神経や臓器の機能が低下するからです。コレステロールの代謝が悪くなり、血中のLDL(悪玉)コレステロール値が上がることがあります。これらの症状が3つ以上あったら、内科受診する事が勧められます。

治療

不足している甲状腺ホルモンを薬で補います。基本的には1日1回の服用で済みます。服用量は血液検査の結果をもとに主治医が判断します。慢性疾患なので、原則薬は一生飲み続けます。下記の薬剤があります。

レボチロキシンナトリウム(チラーヂンS)

併用してはいけない薬や食べてはいけない食品はありませんが、一部、一緒に飲むと薬の吸収を妨げる薬剤があるので注意が必要です。しかし時間をずらして服用すれば影響はないので心配はいりません。

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