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薬と健康のトピックス

vol.49 逆流性食道炎

目次
01.症状
02.原因
03.検査
04.治療薬
05.日常生活のアドバイス

1症状

一番多い症状は【胸やけ】です。みぞおちのあたりから胸の下あたりにかけて、"チリチリ焼けるような"症状が特徴です。この他には、酸っぱいものが上がってくる【呑酸】、食べ物がいつまでも残っている感じの【胃もたれ】、のどのイガイガ、ヒリヒリなどの【のどの痛み】、【胸の痛み】、【しつこい咳】などもあります。

これらによって、『ぐっすり眠れなくなった』、『食べたいものが食べられなくなった』、『気分がさえなくなった』など、日常生活に支障をきたすほどの症状が現れます。また頻度としては少ないですが、突っ掛かる感じ、嗄声、胸痛、喘息様などの症状がでる患者さんがいます。

実際、長い間原因のわからない頑固な咳で苦しんでおられた方が検査によってこの病気とわかり、治療とともに今までが嘘のように頑固な咳から開放されたり、原因不明の胸痛で苦しんでおられた方がこの病気とわかったりなどということもあります。

逆流性食道炎 逆流性食道炎の症状は、食後直ぐに横になったとき、前かがみになったとき、おなかに力を入れたときなど起こり易くなります。

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2原因

食道と胃のつなぎ目(噴門部)にある筋肉【下部食道括約筋】の働きは、食べた物を飲み込むときは緩んで、それ以外の時はきつくしまっています。

逆流性食道炎は、この下部食道括約筋の働きが弱まり、胃液や胆汁、食べた物などが食道へ逆流し、食道に上がっていくことが考えられます。この状態は、食道ヘルニア(胃が食道裂孔を通じて胸腔内に脱出した状態)であることが多く、濃度の高いアルコ-ルや強度の香辛料の効いた食物を摂取したり、熱いものを飲食したりする食習慣、腐食性物質(アンモニア、苛性ソ-ダなど)の誤飲、薬剤・とくにカプセル等を服用するときに水分を十分にとらずに服用し、食道に停滞したときなどに起こります。

また、要因として挙げられるのが、過度のストレスや喫煙、加齢による機能低下、背中など曲がった人、妊娠している人、肥満の人、便秘の人、腹圧の上昇が考えられる人、消化不良が考えられる人などが要因として挙げられます。

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3検査

逆流性食道炎の検査では、内視鏡検査(胃カメラ)が行われ、最も信頼性が高い検査方法の1つです。口から先端にカメラの付いた管を入れて、食道粘膜の状態を直接観察します。潰瘍やびらんを伴う炎症が確認できれば逆流性食道炎と診断されます。内視鏡検査をする場合、前日の夜から食事や飲み物の制限があります。

その他の検査方法には、食道内pHモニタリングがあります。食道への胃酸逆流を評価するもので、食道内の酸性度や胃酸が逆流している時間や頻度を確認します。内視鏡検査で診断がはっきりしない時などに用いられます。
また、造影剤が食道へ逆流するのを観察する食道造影検査や、ぜん動運動や下部食道括約筋の働きをみる食道内圧検査を行う場合もあります。

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4治療薬

薬物治療

逆流性食道炎の薬物治療は対症療法になります。逆流自体を抑えるのではなく、胃酸の量を減らしたり、胃酸の酸性度を減らしたりすることになります。この胃酸の量を抑えることで多くの症状が軽減すると言われています。また、ストレスが原因の場合はその治療も行われます。薬に加えて生活習慣の改善を行うことがとても大切になります。治療薬としては以下のものがあります。

胃酸分泌抑制剤
胃酸の分泌を抑える薬で、プロトンポンプ阻害剤(以下PPI)やH2ブロッカーなどです。PPIは第一選択薬として使用されていて、最も強力な胃酸分泌を抑える作用があります。
制酸剤
胃酸を中和する薬で、食道などに逆流し停滞した時の炎症を軽減することが期待できます。胃酸分泌抑制剤と併用して使われることがあります。
消化管機能改善剤
胃の機能を調節し胃からの排出を促す働きを期待します。

他には胃酸分泌抑制剤の補助や症状緩和のために胃粘膜を保護する薬やストレスが原因であれば抗不安薬などが使用されることもあります。

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5日常生活のアドバイス

逆流性食道炎
食事
食べ過ぎや飲み過ぎをしないようにしましょう。
以下のような脂っこいものや香辛料のきいたものは避けるようにしましょう。食後すぐに横になることや寝る直前の食事は控えましょう。
 
脂っこいもの フライ・てんぷらなど
甘いもの ケーキ・あんこ菓子・チョコレートなど
酸っぱいもの
刺激のあるもの
レモン・トマト・パイナップル・玉ねぎなど
香辛料 トウガラシなど
その他 アルコール・たばこ・カフェインなど
体位
食後2時間は上半身を起こした体位を保つように心がけましょう。腹圧を上げるような重いものを持ち上げたり、前かがみ姿勢をとったりしない様にしましょう。寝るときは上半身を起こした状態で寝ると効果的です。
肥満
内臓脂肪により腹圧が上がります。体重を減らしましょう。
嗜好品
過食を避け、高脂肪や甘みや酸味の強い食品や香辛料は控えましょう。酒、たばこ、コーヒー、緑茶、チョコレートも控えましょう。
衣服
腹圧を圧迫するコルセット、ガードル、帯、ベルトは着用しないようにしましょう。
便通
便秘にならないように気を付けましょう。

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