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薬と健康のトピックス

vol.42 緑内障

目次
01.緑内障とは…
02.緑内障の種類
03.緑内障の症状
04.緑内障の治療薬
05.緑内障の手術治療

1緑内障とは…

房水の流れが悪くなり、眼圧が上昇して視神経が障害され、見える範囲(視野)が狭くなる病気です。
患者さんの年齢は幼児から高齢者まで広い年齢層にわたりますが、特に40歳以上で多発します。

一度障害を受けた視神経は再生することがないため、緑内障は失明の危険を伴う大変怖い病気です。
その緑内障が若年化しつつあり、増加傾向にあると言われています。
そうなると早期発見、早期治療がとても大切になってきますので、40歳前後の方は一度眼科で検査を受けておくことをお勧めいたします。

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2緑内障の種類

緑内障には、いくつかの種類があります。
その種類によって、原因や症状もさまざまです。

原発開放隅角緑内障
これは、ゆっくりと進行する緑内障です。
房水の出口である隅角は塞がっていませんが、その先のシュレム管が詰まって、房水がうまく流れなくなるために、眼圧が高くなってしまいます。
はじめのうちは、ほとんど自覚症状がないため、気づかずに進行してしまいます。
原発閉塞隅角緑内障
これは、急激に起こる緑内障です。
房水出口である隅角が塞がってしまい、房水の流れが悪くなり急に眼圧が高くなります。
そのため、発作的に目の痛み、頭痛、吐き気、嘔吐などの重い症状が現れます。
正常眼圧緑内障
これは、現在最も多いタイプの緑内障です。
眼圧が正常範囲にも関わらず、視神経が障害されてしまいます。
眼圧は正常で、ほとんど自覚症状もないため、気づかないうちに進行してしまう場合が多いです。
続発緑内障
これは、他の病気などに伴って起きる緑内障です。
外傷や他の目の病気、またステロイドホルモン剤などの薬剤によって眼圧上昇をきたし併発するものです。

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3緑内障の症状

主な症状として視力の低下、視野の欠損、眼圧上昇による頭痛などがあります。
緑内障の症状は20~30年の年月をかけてゆっくり進行する場合が多く、気付いた時には手遅れとなる事があります。
片眼だけでなく、両眼とも起こるのが緑内障の特徴です。

先天性緑内障の乳幼児では、目が見えていない素振りが“牛眼”と言われる様に眼球や角膜が大きく、角膜は青味が強いか白濁して進行した状態で分かる事があります。

急性の緑内障発作時には眼の痛みや頭痛、吐き気、白目の充血、眼のかすみなど激しい症状を起こします。
時に風邪と間違われる事があります。
発作を起こしてから時間が経つほど治りにくくなるので、すぐに治療を開始し眼圧を下げる必要があります。

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4緑内障の治療薬

緑内障の治療薬には飲み薬と目薬の2種類があります。
病状や患者さんの体質などによって使用される薬はさまざまです。
ここでは広く使用されている薬剤を作用ごとにまとめてみました。

内服薬

ダイアモックス(炭酸脱水酵素阻害薬)…房水の産生を減らして、眼圧を下げます。

点眼薬
1.副交感神経刺激薬
サンピロ…房水の流出を促進する事で眼圧を低下させます。
2.交感神経作動薬
ピバレフリン…房水産生を抑制すると共に房水流出を促進させます。流出促進効果の方が強いので眼圧を下降させることができます。
3.炭酸脱水酵素阻害薬
トルソプト…房水産生抑制作用により眼圧を降下させます。
エイゾプト…作用は上記と同じで、房水産生抑制による眼圧低下作用です。懸濁性の目薬なのでよく振ってから点眼する必要があります。
4.β遮断薬
チモプトール…房水産生を抑制させます。しかし喘息や不整脈を有する例では発作や症状の悪化をきたすので原則として使用できません。1日1回点眼のチモプトール「XE」もあります。
ミケラン…同じく房水産生を抑制させます。また眼底血流量を増加させる作用があります。1日1回点眼のミケラン「LA」もあります。
5.αβ遮断薬
ハイパジール…ぶどう膜強膜流出路の流出促進作用と房水産生抑制作用を併せ持っています。β遮断作用の選択性が低いため、気管支喘息患者には使用できません。
6.β1遮断薬
ベトプティック…選択性があるので喘息患者にも使用可能です。また、直接血管拡張作用もあります。
7.α1受容体遮断薬
デタントール…眼圧効果作用はβ遮断薬よりも若干弱いですが、心疾患、気管支喘息患者にも全身性副作用が少ない薬です。
8.プロスタグランジン(PG)製剤
レスキュラ…代謝型PG製剤で作用選択性(特異的な眼圧下降作用)に優れ、全身の副作用が少ない薬です。その他にも視神経の保護作用や眼血流改善作用もあります。
キサラタン…房水流出促進作用(ぶどう膜強膜流水経路からの流出)があります。
トラバタンズ…強力な眼圧降下作用を持つとともに、防腐剤の塩化ベンザルコニウムを用いていないため、副作用が少ないと期待されています。
タプロス…眼圧降下作用とともに眼血流改善作用を持っています。正常眼圧緑内障に対する眼圧降下が示されています。
☆PG製剤全般の副作用として軽度で一過性の充血や、睫毛多毛、虹彩・眼瞼における色素沈着が生じることがあります。
それを予防するために点眼後に入浴したり、目の周りを洗い流したりすることをお勧めします。
9.配合剤
ザラカム(β遮断薬とPG製剤)
デュオトラバ(β遮断薬とPG製剤)…防腐剤の塩化ベンザルコニウムを配合していない唯一の緑内障治療配合剤
コソプト(炭酸脱水酵素阻害薬とβ遮断薬)

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5緑内障の手術治療

薬物治療だけでは十分な眼圧降下が得られない場合や、副作用によって他の治療が適切に行えない場合にはレーザーや手術を行って治療することになります。

緑内障手術治療(レーザー手術、観血的手術)には大別して、1.閉塞隅角緑内障に対するレーザー虹彩切開術や観血的周辺虹彩切除術、2.開放隅角緑内障に対するろ過手術(トラベクレクトミーなど)、生理的房水流出路再建術(トラベクロトミーなど)、毛様体破壊術、レーザー線維柱帯形成術などがあります。

閉塞隅によって発症した緑内障発作に対してはレーザー虹彩切開術が有効です。
虹彩に穴をあけることによって速やかに眼圧を下げることが可能です。また発作を起こさないように予防的に虹彩切除を行うこともあります。
緑内障発作時にレーザー治療で眼圧が下がらない時には手術による観血的周辺虹彩切除術が必要です。
白内障手術を行うと閉塞隅角を解消することができるため、白内障を持つ閉塞隅角の患者さんには白内障手術が選択されることが多くなってきています。

眼圧は眼内を流れる房水の量によって左右されます。
開放隅角緑内障に対するろ過手術は、房水の新たな流出路を作製することで眼圧を下げる手術です。
眼圧下降効果は強いですが、術後浅前房や感染などの併発症の頻度が高いため、手術後も定期的な診察が必要です。
生理的房水流出路再建術は、房水の排出部位である線維柱帯の抵抗を手術によって低下させることにより、房水の流れを改善させる手術です。
眼圧下降効果は流過手術に劣りますが、併発症の頻度は少なくなります。

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