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薬と健康のトピックス

vol.39 インフルエンザ感染の予防について

目次
01.インフルエンザについて
02.治療薬について
03.予防について
04.マスクについて
05.うがいについて
06.手洗いについて
07.手洗いとうがいの重要項目のまとめ

1インフルエンザについて

インフルエンザはインフルエンザウイルスによる感染症で、急に発症する38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、咽頭痛、鼻汁、咳などの症状がみられます。冬季に国民の10~20%が感染すると言われています。 インフルエンザは罹患している人のくしゃみ、咳、会話などの際に飛び出すつばなどの飛沫と共に放出されたウイルスを吸入することによって感染します。

詳細は薬と健康のトピックスvol.3 インフルエンザを参照してください。

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2治療薬について

従来、抗インフルエンザ薬としてシンメトレル、タミフル、リレンザの3種類が用いられてきましたが、シンメトレルについては耐性ウイルス(薬が効かないウイルス)が高率に出現したため現在は使用されていません。
2010年にラピアクタ、イナビルが発売され、さらにもう1種類(内服薬)が発売予定です。
タミフルは内服薬、リレンザ、イナビルは吸入薬、ラピアクタは点滴薬です。
医師の判断によりこの5種類の薬を使い分けていきます。

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3予防について

予防の基本は流行前にワクチン接種をうけることです。
特に1.高齢者 2.気管支喘息などの慢性呼吸器疾患または慢性心疾患患者 3.糖尿病患者 4.腎機能低下患者 5.妊婦 には強く勧められます。
空気が乾燥するとインフルエンザにかかりやすくなります。室内では加湿器などを使って適度な湿度を保ちましょう。
外出時はマスクを利用し、帰宅時のうがい、手洗いは風邪の予防と併せてお勧めします。インフルエンザは飛沫感染であるので、罹患し咳などの症状のある方は特に周囲への感染を拡大させないためにもマスクの着用が勧められます。(咳エチケット)
そこで今回はマスク、うがい、手洗いの重要性についてまとめてみました。

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4マスクについて

インフルエンザの感染の予防においてマスクは多くの対策のなかの1つです。マスクは主にサージカルマスク、N95マスク(防じんマスクDS2)があります。

サージカルマスク
本来は手術の時に術者の唾液などが飛んで患者の臓器を汚染しないように作られたものです。つまり呼吸器感染症に対する防護を考えて作られていないため、マスクと顔との間に空いた隙間からフィルターを通さない空気がウイルスとともに入り込んでくる可能性があります。
そのため、感染性飛沫の吸入を防ぐことは限定的とされ、むしろ拡大防止としての着用が推奨されています。ただし、SARS流行時に医療従事者の感染が少なかったとの報告があり、季節性インフルエンザに対応する場合にはサージカルマスクでよいとの研究報告もあります。
N95マスク(防じんマスクDS2)

ウイルスを含んで浮遊しているような小さな粒子を捕獲する目的で作られたマスクです。そのため病室での発病者と対面して治療する場合などに使用され感染予防の観点から効果が高いです。
ただし、しっかり装着できていないと効果は下がり、継続して使用すると息苦しく感じることもあります。

 つまり、このマスクの使用においては顔にマスクをフィットさせ空気の漏れを最小限に減らすことが必要で、それにより本来の性能を発揮することができます。
そのためにはフィットテストやユーザーシールチェックを行う必要があります。フィットテストとはマスクを着用してその上からフードをかぶり、中に甘み苦味のある成分を噴霧して、甘みや苦みを感じるかどうかを確認する方法で、感じた場合は十分にフィットしていないことになります。
次にユーザーシールチェックとはマスクがきちんとフィットして、マスクと顔の間から空気の漏れがないことを確認する方法です。このユーザーシールチェックはマスクを着用するたびに毎回行う必要があります。

このようにマスクの選択において、1種類に限定するのではなく、大きさや形の異なる数種類のマスクを準備しておく必要があります。

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5うがいについて

日本での一般的なうがいは、口腔内の歯や歯肉に付着した菌や有機物を洗い流す{マウスウォッシュ}ではなく、持続的に呼気を出すことによって口腔咽頭にある一般的にいう「うがい液」に気泡をつくり、咽頭や口腔内の粘膜全体を機械的にあるいは物理的に洗う方法をもちいています。

うがいの効果に関する根拠

2011年の8月にPubmedによる論文で、研究として十分なものは1つしかないと言われています。

水道水によるうがい群とポピドンヨ-ドによるうがい群と対照群の3群に分けて1日3回以上、60日間毎日うがいと手洗いの回数やくしゃみや鼻水や咽頭痛や咽頭不快感や咳や発熱や関節痛などの症状を記録して「上気感染症」の発生率を比較しました。結果、各群の発生率は、水道水によるうがい群が0.64でポピドンヨ-ドによるうがい群が0.89と水道水の方が発生率は有意に低い結果となりました。
なぜ、水道水が効くのかと言うと、水道水中の塩素濃度は殺ウイルスに十分な濃度である事が一因であると言われています。
また、ポピドンヨ-ドの細胞毒素による粘膜細胞損傷に加え、殺ウイルス効果よりも常在菌がポピドンヨ-ドにより死滅することで感染防御能が低下する可能性を考え調べているそうです。

塩素は、有機物中では急速に殺菌効果が失活するため水道水中の塩素の効果については、再考の余地があると言われています。
現地点で、ポピドンヨ-ドのうがいに関しては、上気道炎発生後の二次感染予防であって、健常人が「上気感染症」予防目的で使用しても、損傷粘膜がなければ効果は期待できないかもしれません。

また、日常的なポピドンヨ-ドの使用は常在菌の破錠につながる可能もあるので注意が必要です。 水道水によるうがいを頻回にすることで上気道炎などの呼吸器感染予防が期待されています。

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6手洗いについて

手洗い
感染症の多くが接触感染経路を主体としており、手洗いの実施は感染予防に重要です。
流水と石鹸による手洗いが感染症予防の基本的手技ですが、手洗い場がない時にはアルコール性速乾性消毒剤を選択します。
流水と石鹸での手洗いの場合、一過性に付着した汚れと微生物の除去が目的であり、手背、手首、爪先など洗い残しのないように丁寧に洗う(30~60秒)ことで汚れ・微生物を落とすことができます。(手洗い後の手指は完全に乾燥させる必要がある為、手洗い場にはペーパータオルとペーパータオルホルダー、液体石鹸、ゴミ箱を準備する。)
アルコール性速乾性消毒剤の場合、手指十分量をとり、丁寧に擦り込むことで手指上の微生物を殺菌できます。ただ汚れは落ちず、ノロウイルスなどのエンベロープ(-)のウイルスと芽胞系形成菌には効果がありません。
うがい
十分なエビデンスはありませんが、1日3回以上の水道水によるうがいを実施することで上気道感染症の発生率を低下させることが期待できそうです。
またポピドンヨード含嗽剤によるうがいの上気道感染症の発生率は水道水によるうがいと差はないようです。

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7手洗いとうがいの重要項目のまとめ

手洗いとは

手指衛生とは有機物や微生物を除去する目的で実施されるものであると解説されています。手洗いは幼稚園や小学校などの幼少期からうがいと並んで教えられる感染症予防法です。

洗いの分類

手洗いはその目的により、日常的手洗い、衛生的手洗い、手術時手洗いの3つの手洗いに分けることができます。

日常的手洗い
手指に一過性に付着した汚れやウイルス細菌などの微生物を取り除く手洗いです。
衛生的手洗い
日常的手洗い以外にもともと手指の皮膚に常在する菌の数を減らす為の手洗いです。
手術時手洗い(医師が手術前に行いもの)
衛生的手洗いの時間と洗浄範囲の拡大(肘まで)をした手洗いです。
手洗いの種類と効果
洗浄消毒法
手指に付いた汚れやウイルス、皮膚に常在する菌の数を減らす事が出来ます。
アルコール性速乾性消毒剤
手洗い場がなくても実施でき即効的な殺菌性が期待できます。洗浄操作がないので汚れは落とすことができません。

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